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IwaseKajuen Project ①

岩瀬果樹園ホームページ制作
見えない「おいしさ」を伝える

 written by 岩月正直

日本一の「次郎柿」産地のブランドをもっとPRしたい

 岩瀬果樹園の若き2代目・岩瀬宏二さんは、お父様が始められた果樹栽培の仕事を手伝いながら、2代目として美味しいくだものづくりに専心しておられます。もともとお祖父様が庭師をしておられ、庭木を育てるための広大な土地をもっていましたが、お父様が果樹栽培の技術を身につけ、果樹園の土づくりから始めて庭木が育っていた土地を改良し、ゼロから岩瀬果樹園を育ててきたのです。

 岩瀬果樹園のある愛知県豊橋市石巻地区は、もともと日本一の「次郎柿」産地で、味の質においても出荷量においても他地区を大きく引き離す実力と実績をもち、なだらかな丘陵地に広がる柿畑が美しい景観をつくりだしています。岩瀬果樹園として本格的に果樹栽培に取り組む前にも、岩瀬家には柿畑が多少はありましたが、売るほどあったわけではなく、「なし」を植えて栽培面積を増やしていきました。現在、岩瀬果樹園では、その「なし」栽培のほか「ぶどう」栽培も順調に伸長し、「岩瀬果樹園のくだものはどれも滋味が深くておいしい」と大評判です。

 石巻地区の特産である「次郎柿」の栽培面積も増やしてきましたが、富有柿のような丸くてぬめりのある品種とは異なり、四角い形状でカリッとした爽やかな歯ごたえと上品な甘みが特色の「次郎柿」をもっとPRできないものか、悩んでおられました。

口コミで人気が出てきた作物をもっと普及させたい

 父子2代にわたる果樹栽培の地道な努力が実って、岩瀬果樹園の「なし」「ぶどう」「次郎柿」は地元スーパーマーケットでは、並べたら直ぐに売り切れる評判を得ています。しかし、これだけのおいしいくだものを、地元だけの販路に限って販売するのはもったいないという思いもあり、何とか全国の人たちに味わっていただく手はないか、と知恵を絞っておられるとき、ピアワークスとの出会いがありました。

 「次郎柿」は、豊橋市石巻地区を挙げての特産品になっていますが、そのおいしさの魅力をいったいどうやって伝えたらよいのか? 味という見えないものをどのように表現したら、「まずは買って食べてみよう」という段階までもっていくことができるのか、悩みは尽きなかったそうです。

 作物が売れていなかったわけではありません。地元の販売店を中心に好調な売れ行きはあったのですが、岩瀬果樹園で育てた果物のおいしさを何としても数多くの方に知っていただきたいという「普及への願い」がありました。農薬や人工栄養剤をほとんど使わず、自然の栄養分を十分に活かし、人の手でつくりあげる果物には、促成栽培にない果物本来の滋味や実力が備わっています。その手作りの味の魅力を知っていただきたいというのが、岩瀬宏二さんの熱い思いでした。

3つの提案

岩瀬果樹園打合せ風景

 岩瀬さんの熱い思いに応えるために、ピアワークスは、農場をご案内いただいたり、今までの果樹園経営のご苦労を取材したり、岩瀬さんの果樹栽培の哲学を学んだりしながら、どうして岩瀬果樹園の人気が高まってきたのかを研究させていただきました。そこでピアワークスが学んだものは、次のようなことでした。

 まず、岩瀬さんのお父様とお母様と宏二さんご夫婦の計4人という家族経営を基本とし、その範囲を出ない果樹管理・商品管理を徹底していること。果樹1つ1つ、枝1本1本に丁寧な手入れができる範囲、つまり目の届かない仕事は絶対にしないという固い信念があること。作物は年ごとの自然環境の変化に敏感ですから、そうした変化にフットワークよく対応できるのも、目の届く範囲で果樹管理をしているメリットなのだそうです。

 岩瀬果樹園では、作物をご自分の家族の一員のように思って接していることが、果樹園管理の仕組みのなかにも、ご家族のチームワークのなかにも強く感じられました。果物を栽培している農家というよりも、果樹園に人間が活かされている喜びをご家族全員が共有して、愛情をもって果物を扱っていることに、ピアワークスは感動しました。そんな思いで果樹園を毎日見ている岩瀬さんご一家は、一切手抜きなしで果樹栽培に没頭し、果樹がいとおしくて仕方がないごようすです。

 こうした学びのなかから、岩瀬さんの熱い思いを有効に伝えるためには、3つの仕組みが必要であることをピアワークスはご提案しました。ホームページのなかでは、「岩瀬さんちの果物」「岩瀬さんちの農園」「岩瀬さんちのお店」という枠内で、それを表現しました。

①「岩瀬さんちの果物」

 それぞれの果物の「見えないおいしさを“見える化”する」ために、キャラクターを作成して、果物の個性を表現します。親しみやすいキャラクターとはいえ、生産された果物にウソがなく、安全性と安心感を与える工夫が必要です。確かな栽培技術に裏打ちされていることや、安全管理が徹底していることでお客様に信頼感をもっていただき、高い技術力のないところに良品なし、という「ものづくりの基本」を表現することです。さらに、旬のものを旬のタイミングで出荷しているからこそ可能な「果物がもっとも新鮮な時期にもぎたてをお届けできる」メリットを、「おいしさ」のひとつとして表現することです。

②「岩瀬さんちの農園」

 買ってくださるお客様にどんな思いで果物をお届けしようとしているのか、そして、そのためにはどんな技術で果物を育てているのかが、ストレートにわかる「物語」をつくること。物語をつくると言っても、でっち上げではいけません。1年を通じて休むことなく続けられる生き物である果樹との付き合いを、栽培農家の1年のくらしと重ね合わせて、正しく伝えることが「物語」の根幹です。そこには岩瀬家の「愛情」が一本の筋で通っていることを、暖かくそしてわかりやすく伝えることが肝心です。

③「岩瀬さんちのお店」

 普及させるためには、商品の魅力を正確に伝える表現とともに、「販売の仕組み」が必要です。受注用の窓口を整備することが欠かせません。また、どのようにお客様をそこに導いて、お買い求めやすくするか、その道筋づくりも大切です。Yahoo!ショッピングなど巨大ネットマーケットへの出店も必要になってきます。

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